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POSTED | 2019.06.25 Tue |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:その他 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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商業施設の設計から施工までトータルプロデュース
幸せ空間創業企業による快適な空間づくりTopics
今回のインタビューは、商業施設や店舗の設計から施工までトータルで手がける株式会社アートプロジェクトの2代目社長中村氏にお話を伺います。展開する事業内容や、事業継承するまでの経緯、今後のビジョンについて語っていただきました。
株式会社アートプロジェクト 社長 中村 暢宏氏のONLY STORY
【経歴】
日本大学短期大学部建設科建築コース卒業。習い事は、水泳、剣道、書道等。部活動は、バドミントン部、テニス部。社会人になってから、スキー、スキューバダイビング、ゴルフを嗜むが、現在も続いているのは、ゴルフのみ。
卒業後、東京スペース(現:スペース)で修行のため勤務。その後、アート大洋を経て、アートプロジェクトに入社。現在に至る。
27歳の頃、中小企業大学校 経営後継者研修を受講。先代が倒れた後、経営について悩み、神奈川県中小企業家同友会に入会し、経営指針作成部会を受講。
空間創りのプロフェッショナルがアドバイス
–まずは、株式会社アートプロジェクトの事業内容を教えてください。
中村氏:弊社は、商業施設や店舗の設計・施工管理、オフィスのリニューアル、住宅やマンションのリフォームなど内装のトータルサポートを行う会社です。言うなれば商業施設に特化したゼネコンのような仕事ですね。
お客様の「お店を出したい!改装したい!オフィスをリニューアルしたい!」といったご要望に対し、丁寧なヒアリングをした上で、最適なご提案をし、店舗設計から施工管理まで全てプロデュースしています。
とくに商業施設が多いのですが、これまでに飲食店やコンビニ、ファストフード店、カラオケ店、美容室、医院、動物病院など様々な商業施設の内装に関わってきました。最近では保育園や幼稚園といった施設も多く手掛けています。
–実際に御社にご依頼されたお客様からはどういった反応をいただきますか。
中村氏:お客様からは、現場の品質の高さを褒めていただくことが多いですね。たとえば、壁を作る際には、つなぎ目や凹凸を見れば、どこまで丁寧に施工しているかはわかるものなんです。そういったところにまで心を配り、作業している点は、お客様が現場にいなくても伝わるようで、評価していただくことが多いです。
また、企画に関してもたくさんのお喜びの声をいただいています。企画を考える時には、物件の機能を最優先して完成像を考え、その上でお客様の趣味や嗜好に応じた提案をさせていただきます。だからこそお客様に本当に喜んでいただける価値提供ができているんだと感じています。
–そのほかに御社の特徴だと感じる点はございますか。
中村氏:チーム制で業務に当たる点ですね。現在、4チームで仕事をこなしていますが、「このお客様にはこのチームがいいかな」とそれぞれのチームの施工や対応の仕方などを考えて、お客様の特性に合わせて対応させていただく点は特徴だと考えていますね。
–中村さまが事業を運営するにあたり重要視していることを教えてください。
中村氏:経営理念である「幸せ空間創造企業として、人・街・文化の発展に貢献します。」ですね。
先代の父が倒れ、会社を引き継ぐことになった時に、実は会社経営に対し非常に悩み苦戦したんです。そんな時にたまたま神奈川同友会と出会ったのがきっかけで、弊社に経営指針がないことに気がつき、まずそこから始めようと考えました。
経営指針を作る上で、最初に思ったことは、社員を路頭に迷わせたくないから、会社は永続させていかなければならないということでした。
そして、社員がこの会社で働くからには幸せになってほしいとも思いました。人としての幸せは、与えられるものではなく、自ら創造していくもの。だからこそ、「この仕事をしているから幸せだ」と感じて欲しいと思ったんです。
この仕事を通して、社員とお客様を含めた関係者みんなが幸せな空間を創造できるようにしたい、そういった想いを込めて約3カ月半かけて作ったのがこの経営理念です。
社員が自立して活躍できる環境
–中村様が事業継承されたきっかけについて教えてください。
中村氏:先代の父が、店装や陳列什器の製作会社として立ち上げた株式会社アート店装がすべての始まりです。私はその会社を継ぐ意思があったので、卒業後は同じ業界の企業に3年~4年ほど勤務しました。
その後父がM&Aでアート大洋という会社を買収し、自社もアートプロジェクトに社名が変わりました。そこが転機となり、前職を辞めて自社の仕事に携わるようになりました。
実務の仕事をしながら、少しずつ経営に携わるようになっていたのですが、平成12年に父が脳梗塞で倒れてしまったため、その翌月には副社長となり、翌年の平成13年に代表取締役社長に就任しました。先ほども申しましたが、事業を引き継いだ当初は会社経営に対して不安しかありませんでしたね。
–不安な気持ちがあったとのことですが、とはいえ、その後長く会社を経営されてきたからには何か秘訣があるかと思います。その点はどうお考えですか。
中村氏:長く経営が続いている理由の一つに、権限委譲が進んでいることが挙げられるかもしれません。
自立型の社員というのが私の中で目指すべき姿だと思っていますので、最初に方針を決めたあとは、それぞれが自分の裁量の中で仕事を受注し、最大限努力をする。それが結果として今に続いているのではないでしょうか。
自分たちでルーレットを回して、コマを進めて、自走していってくれる社員であることには日々感謝していますね。
事業拡大に向けて社内環境を整える
–短期的な目標を教えてください。
中村氏:まずは、社員の働き方や職場環境を整えていきたいですね。そして次の展開を考えますと、20代・30代の社員が足りていないので、新卒社員の採用を強化していきたいと考えています。
–長期的な目標を教えてください。
中村氏:会社の規模は、今後永続的に大きくしていきたいと思っています。これからはスモールM&Aが進んでいくと思いますので、そういったこともしながら規模を拡大していけたらと考えています。
本当に縁ではありますが、リフォームに強い会社や、住宅系に強い会社など、M&Aによって建設というカテゴリ―で少しずつ事業領域を広げ、建築にまつわる総合的な会社として確立させることが長期的な展望ですね。
執筆=山田
校正=笠原