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POSTED | 2018.06.08 Fri |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:IT・情報通信業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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通信インフラ事業からアジア進出へ
日本人という民族を、世界にアピールするためにTopics
株式会社JSコミュニケーションズ 社長 槻田 雄一氏のONLY STORY
敷かれたレールの上を歩くのではなく、自分のなりたい「経営者」へ
いま株式会社JSコミュニケーションズを経営している私は、もともと生まれが経営者の家系でした。東京葛飾区の、下町の工務店の息子だったんです。父は会社を経営していたということで、幼少期の頃から勤め人という印象はありませんでした。
私自身は、将来社長になる道を歩むことになるだろうと漠然と思っていて、それをはっきりと意識し始めたのは大学生のころでした。それまでは家業を継ぐことを当たり前だと思っていたんです。親からそういった期待を持たれていることもわかっていたし、そもそも中学受験から大学に建築学科がある附属中学校しか受けていませんでした。
大学で就職活動が始まったとき、ゼネコンに入社したOBの先輩から話を聞く機会があったのですが、その話がまったく心に響かなかったんですね。私はずっと経営者になることだけを意識して大学まで進学したので、管理職で社会人人生を終えそうな人の話を聞いても仕方がないと思ってしまった。
そして、自分はそもそも建築の道に進みたいのかということも、疑問に思うように。今まで家を継がなければならないという思いだけで生きてきたけれど、本当にそれで良いのか。考えていくと、社長になりたいという気持ちに間違いはないけれど、ITバブルの世の中で建築の社長になる必要はない、という結論に至ったんですね。
大手企業も潰れてしまうような激動の時代に、まず自分は何をすべきか悩み続けました。そして大学4年生になったとき、今のグループ代表の指田というCEOと出会って「こんな経営者になりたい」という具体的な思いを抱きました。周囲の反対を押し切ってその人材派遣会社に入り、まず現場のスタッフとして働くことになったというのが、22歳で社会人になるまでの経緯です。
そこからは、28歳で部長になり、31歳で取締役になって、34歳で代表取締役に。最初は、周囲の声をすべて無視して別の道を歩むのだから、上り詰めなければならないという想いで上を目指していましたが、社会人として経験を積み、30歳を迎える頃、立場や仕事は、成し遂げたいことの手段であるということに気づきはじめました。
先人を越えていくことこそが、自分にできる親孝行
現在、株式会社JSコミュニケーションズが主に行っているのは通信事業で、格安SIMを中心にしています。具体的には、格安SIMサービス「ニーファモバイル」を運営しており、NTTドコモの電波・回線を借り受けて高品質なサービスをお客様に提供しています。
この事業を始めたのは、当時通信の代理店をやっていたからというのもあるのですが、一昨年、2016年の11月に祖父が亡くなったことがきっかけになりました。
祖父は地域貢献で国から勲章をもらっていた人で、彼を越えたいと思ったんですね。親孝行や家系への恩返しを考えたときに、私にできることは先人を越えていくことだと考えました。祖父が地域のために働いたのであれば、私は都や国、世界というふうに、エリアを広げて貢献できたほうがいいと思いたったのです。
実は日本の通信料金は、世界でもトップクラスに高額であることをご存知でしょうか。携帯電話業界は既存キャリアの既得権の塊。政府としてはインフラをもっと貸し出して、サービス事業者に提供するというMVNO制度を一般化させたいという思いがあるにもかかわらず、それが実現できない。これは国民のためになっていないなと思って、格安SIMの市場に参入しました。
こうした中で、会社自体の目標と今私が抱く個人的な目標は完全にイコールではありませんが、弊社の理念である「成長の追求」という考え方は大切にしています。財産になるような「人財」になるためには、自己の成長を追求できる人にならなければいけない。そういった人財が集まることで、企業としても成長する。企業として成長することで、社会貢献をしていく。社会貢献をしていくことが、この会社のやるべきことであると定義していますし、私自身もそれを成し遂げたいと考えています。
20年後の日本を豊かにするために、今自分にできること
仕事の短期の目標は、一言で言うと「ファンづくりをする」ということです。言い換えればプラットフォーム戦略。
2、3年前くらいから、AIが世の中の仕事をなくしていく、もしくは新しい仕事を作っていくという話を耳にするようになりましたね。時代の動きは今後より激しくなっていくし、今の当たり前が5年後には当たり前でなくなっているかもしれません。
その中で生き残っていく企業になるためには、「この会社の商品を使いたい。この会社を応援しよう」というファンがたくさんいるべきだと思います。2020年までに1万会員の自社会員を作ることがひとつの目標です。
中期的には、海外の文化に触れることをしていきたいと思います。別に海外志向というわけではなく、どちらかというと、やらないといけない。
これは私自身が長期的にやりたいことと、私が今目指していることにつながります。仕事としては、少なくともアジアには進出する。そして日本の教育の改革をすること、日本人の質を上げるということを、長期的にやっていきたい。こうしたことを通して、私は日本人という民族を世界にアピールしたいんです。これこそが、私の一番やりたいことなんですよ。
その日本人の質を上げるために必要なのは教育です。教育改革をしていきたいと考えています。2千円程度払えば、面白い授業をたくさん受けられるような環境を、私が50歳になるくらいまでに作りたいですね。
今の会社が賛同してくれるのであれば、そういった事業を展開していきたいし、そうでないのなら、また私の人生をかけて、今後歩む道を考えていきたいという想いがあります。
最後になりますが、今この国では、少子高齢化が続き、出生率低く、人口の減少を止めることはできません。今後の人口の推移を考えていくと、2040年までの日本のストーリーはほぼ決まってしまっています。確実に人口は減る、GDPも減る、国力はなくなっていく。でも、20年後、私たちはまだ現役で働いているはずです。
だからこそ、今から手を打っていかなければならない。対策を打つためにどうするかというと、主に2つの方法があると思っています。移民を受け入れることと、日本人が海外に出ていくことです。
海外で日本人、日本企業のマーケットが作れれば、最悪の状態を食い止められるはず。つまり、ひとりひとりの質が上がれば、人口が減ってもある程度担保できると思っているんです。
そのための手段が、今の会社であり、今の実績であり、今向かってる方向性だと思います。アジア進出と今のビジネスは、完全に連動します。アジア圏はやはり通信インフラが整っていないため、進出するフックとしてはすごくいい業種だと思っています。